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高収益事業

2012-09-14
カシオの電子辞書事業の2013年3月期の業績見通しは、

売上 326億円(+17%)

営業利益 65億円(+30%)

なんと、売上高対営業利益率 20%ということでした。

テレビを主力とする日本の家電メーカーの苦戦。

スマートフォンなど、カメラ付携帯の普及によるコンパクトデジカメの
苦戦など、明るい材料が少ない中でこの収益率は異質とも感じられる成
績です。

価格の下落が止まらないテレビは、数年前と比較すると機能はかなり向
上したにも関わらず、価格は1/2、1/3も珍しくはありません。

電子辞書は、その点において価格はある程度下がってはいると思います
が、比較的安定した商品なのかもしれません。

私も含めて、一度は電子辞書を購入したことがある人は多いと思うので
すが、継続的に使っている人は少ないように感じています。

最近の商品を見てみると、収録コンテンツ数は、100は当たり前、150
を超えるものもあります。

これだけの情報量をコンパクトに持ち運べるのはとても便利ですね。

しかも、自分の知識が増えたような高揚感をも味わうことができます。

私のように、買っても使っていないユーザーは、主にこの高揚感と賢く
なったような錯覚による影響が大きいのではないかと思います。

この好業績の背景は、

・中国での教育熱の高まり

・国内でも高校生向けに参考書などを搭載したものが好調

小学生向けなんかもあったりします。

どうやら若者が購買層の中心になっているようです。

電子辞書のシェアは、

1位:カシオ計算機
2位:シャープ
3位:キヤノンマーケティングジャパン
4位:セイコーインスツル

カシオのシェアは、57%前後ですから、圧倒的にシェアで優位に
立っています。

シェア理論でいえば、安定目標値を超えている見方もできり状況
です。

電子辞書と言えば、カシオ計算機という市場におけるブロンドを
形成している可能性もあります。

電子辞書という商品として観るよりも、辞書、もしくは出版物と
いう観方をした方が面白いような気がします。

電子書籍が一般的になりつつあるこの頃ですが、まだまだ普及し
ているとは言い難い状況ではないかと思うのです。

・アマゾンのKindle
・ソニーのXperia
・サムスンのGalaxy
・エイサーのICONIA
・楽天のCobo

リーダーはだいぶ揃ってきましたが、コンテンツはまだ限定的です。

まだまだ、出版業界は紙面での出版が中心で、版権を持っている版元
さんは、紙面と同じタイミングで電子コンテンツを躊躇しているよう
に思えます。

これでは、消費者は、新刊を読めない不自由さを拭い去ることはでき
ません。

よくよく考えると、電子辞書は、電子書籍の優等生という位置づけな
のかもしれません。

明らかに、紙媒体の辞書市場よりも、電子辞書市場のほうが上回って
いると思われます。

辞書の場合は、新刊かどうかよりも信頼できる辞書かどうかの方が大
事なので、コンテンツ化へのハードルも幾分低かったのではないかと
思います。

ただ、150以上ものコンテンツを搭載して、コンテンツ搭載費用がか
さんでしまい、商品価格で十分に賄い切れるのかという疑問がありま
す。

たぶん、ここは電子辞書メーカーと辞書の版元との力関係がポイント
なのだと思います。

電子辞書メーカーが圧倒的に優位なポジションにいるのでしょう。

辞書の版元側が、搭載してほしいと電子辞書メーカーにお願いするよ
うな構図なのだと思います。

ほぼ無料でもいいから搭載してほしいという話も一部にはあるという
話を聞いたこともあります。

電子書籍市場は、国内で700億円程度という小さくもなく大きくもな
いというサイズは、熾烈な競争を生みにくいこと。

そして、何よりもコンテンツを安価で大量に搭載し、紙面の辞書市場
を凌駕し続けるという好循環。

カシオさんの電子書籍事業は、しばらくは安定して高収益を維持して
いきそうですね。




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