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ガンバレ現役世代!
2012-08-16
「60歳以上の消費支出は2011年で100兆円を超え、日本の個人消費の45%を占めた。」
という記事が日経新聞の一面にありました。
こういった数字を含んだ記事を読むと、ついつい、
「そうなんだ~」
「大変だな~」
「すごいなぁ~」
という感想が先行してしまうのですが、この数字の意味ってどういうこと
なの?
と改めて問われてしまうと、
「うっ・・・」
ちょっと戸惑ってしまう自分がいます。
これが数字の面白いところですし、怖いところでもありますね。
こんなとき私は、関連する他の数字とつなぎ合わせたり、モノサシになる
ような考え方に照らし合わせたりすることで、自分なりの意味づけをする
ようにしています。
私は経済評論家や研究科ではないので、緻密性や信頼性などは当然のこと
ながら劣るわけですが、自分なりの解釈を持つことは、物事を観る訓練に
は役立つのではないかと思っています。
例えば、45%を占めるという、
「占める」
という部分に着目すると、
「シェア理論」
を思い浮かべてしまいます。
シェア理論をざっとおさらいすると、
・独占的市場シェア(73.9%)
・安定的トップシェア(41.7%)
・市場影響シェア(26.1%)
・並列的競争シェア(19.3%)
・市場認知シェア(10.9%)
・市場存在シェア(6.8%)
これはランチェスターの競争戦略における考え方なので、個人消費のシェアと
直接的な因果関係はありませんが、あえてモノサシに使ってみると、
45%という数字は、安定的トップシェアの位置を超える値になります。
世代別の消費で見れば、主役であることは間違いありません。
トヨタ自動車の軽を除く国内市場シェアは48.2%(2012年1-6月期)ですか
ら、
「日本国内で国産車と言えば=トヨタ」
という図式に限りなく近い値ですから、45%という数字は、私たちが日常で実感
しているよりも影響力がはるかに大きいのかもしれません。
「これからは、シニア市場が成長する」
というのは過去の話で、既に成長していてトップランナーの位置にいるという、
現役世代の私たちにとっては、少し寂しい現実ですね。
次に、個人消費という部分に着目してみます。
日本のGDPを買う側の視点から切り分けると、
「民需(消費+投資)」「政府支出」「貿易収支」
に大別できますが、個人消費はGDPの55%を支えていると言われています。
ちなみに米国では、GDPの70%が個人消費です。
見通しが良ければ、借金してでも買い物をするというような国民性を差し引いて
も日本の個人消費の迫力不足を感じてしまいます。
この迫力不の中でも支えているのは、シニア世代。
では、シニア世代のお財布は現役世代に比べてそんなに豊かなの?
1,500兆円を超える個人の金融資産の2/3は、シニア世代が保有しているという
ことなので、豊富と言えば豊富ですね。
若い世代からは、
「貯金してても意味がないんだから、日本経済の活性化のために貯金を切り崩して
どんどん消費して!」
という声も聞かれそうですが、物事はそれほどまでに単純ではないのが現実の一つ
なのだと思います。
今の日本経済の成長(低成長ですが)を低金利という要因が支えているということを
否定する人は少ないと思います。
・企業の投資意欲を支える
・住宅やマイカーの購入を支える
長期金利は国債と蜜月の関係にあるわけですが、ある意味世界一の借金大国であり、
プライマリーバランスが著しく悪化し改善の目処もつかない日本の金利が、南欧諸国
のように7%を超える危険水域に達しないのは個人の金融資産が大きく貢献していると
言われています。
900兆円を超える国債は誰が買っているのか?
大部分が日本国民ですね。
「俺は買ってないよ」
という人も多いと思いますが、
「あなたの預金で買ってるんです」
というのが現実です。
日本の国債の大部分の引き受け手は郵貯を筆頭とした金融機関ですから。
日本の国債の大部分が国内で償還されているので、金利は低いレベルで安定して
いると言われています。
国内で償還ができるのは、潤沢な個人の金融資産があるおかげなので、シニア世代
ばかりが金融資産を取り崩して消費に回すという考え方だけでは日本の経済は上手
く回らないはずです。
こうなると、頑張りを期待したいのは現役世代ですね。
無理して消費しろというわけではありません。
給料を増やして消費しましょう。
何も変えずに給料は上がりません。
新しい付加価値をどんどん生み出しましょう。
(付加価値=売上-仕入れ、この付加価値の大きな項目が人件費)
結局のところは、
「現役世代よ、新しい価値をどんどん生み出そう!」
ここが経済の好循環を生み出すスタートであることは間違いなさそうです。

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